粘土遊びは幼児にとってとても大切な学び(遊び)の一つです。
アトリエではどの年代でも必ず行う活動です。
ピアジェの認知発達理論の感覚運動期である0歳~2歳代は、身体感覚と反射行動(運動)を働かせて環境を認知すると言われています。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を五感と言いますが、この時期にはたくさん感じることへの働きかけを大切にしましょう。
粘土遊びの活動では、味覚を除きすべての感覚を体験します。
視覚・触覚は理解できるけれど聴覚・臭覚とは?と思われたかもしれません。
例えば聴覚は素材を触ったときの音、臭覚は素材そのものの匂いなどが挙げられます。
私のアトリエの子どもたちは、自分で小麦粘土を作って遊びます。
材料からですので、材料の手触り、香り、感触、温度、など手先から情報を収集しています。
材料によっては、サラサラしていたりザラザラだったりと様々な感触を体験します。
サラサラ・ベタベタなどのオノマトペは聴覚からの情報を文句であらわしていることから、言葉への広がりも期待できます。
子どもたちとこの活動をすると、「パンの香りがする!」「小麦の匂いがする!」と発言するお子さんがいます。
小さいときから感じてきたことの現れでしょう。
何気ない毎日の生活の中から感性・感受性を育む体験は積み重ねていけます。
感性や感受性は自分から獲得していくものですから、はやり体験できる環境を大人たちが作り子どもたちに与えてくことが大事であると考えています。
そのような理由から、様々な年齢の子どもたちへ繰り返しこの活動を行っています。
年令によって感じ方にも、粘土を作ってからの活動にも変化が見られますのでとてもおもしろいです。