10年前の今日3月11日,東日本大震災が発生しました。
未曾有の大災害から10年たちましたが、未だ復興半ばにあります。
改めまして亡くなられた方々の冥福をお祈りするとともに、被災されました皆様にお見舞い申し上げます。

思い起こせば10年前の今日は、今年と同様展覧会が終わって3月の通常のお稽古の日でした。
そろそろ幼稚園クラスのアトリエ生が来る時間だなと時計の方も見ると14時45分ころでした。
時計は窓の上の方に設置されていますので、ちょうど空が見えましたが、その時の空の色は今でも忘れられません。
ラベンダー色をしていてなんとも初めて見るような色だったのです。
すると、カタカタという音がして揺れが始まりました。
揺れと同時くらいに「ピンポーン」とインターホンが鳴りました。
慌ててインターフォンを取り、
「地震みたいなので、今入り口にいきます。」
といって階段を降りましたが、凄まじい揺れで体が右左に揺さぶられ、壁にぶつかりながら玄関まで降りました。
心のなかで、「これは大変なことになった」と思いました。
保護者の方が入り口にいらして子どもを抱きしめて佇んでいました。
「大きいからしゃがみましょう!」といってみんなでしゃがんでいました。
道に止めてあった車の揺れが酷くて恐怖を感じました。
一旦揺れが収まりましたが、これは余震かもしれないからと、近所の公園に避難しました。
公園は近所の人々で埋め尽くされていました。
しばらくするとまた大きな揺れがあり、公園内は「きゃー!!」という声が!!! 
ふっとYGPの方を見ると、ガーデンプレイスタワーが左右に大きく揺れているのが見えました。
揺れが収まって保護者の方々としばらく様子を見て、ここにとどまったほうが良いということになりました。
そんなときでも子どもたちは、大人の心配をよそに公園で走り回ったりブランコに乗ったりして過ごしていました。
保護者の方々は、携帯で連絡を取ろうとしていましたが、どの電話も繋がりませんでした。
アトリエもこのような状況では、小学生のクラスもお休みにしなければとメールで連絡をしていましたが、結局届かずじまいでした。
1時間ほどたって皆さんは帰路につきました。
学校の帰り道に電車内で被災したアトリエ生もおり、どんなに怖い思いをしたことかと心配したのを覚えています。
学校まで引き取りに行かれた保護者の方々も、思うように引き取りができず心配したと聞いています。

その後アトリエに戻りましたが、アトリエ内は不思議なほどに物も落ちておらず、揺れの方向が違ったのかもしれないと実感しました。
引き出しは開いていましたが、画材も道具も落ちていなかったのは不幸中の幸いでした。
他の部屋は本棚から沢山の本が崩れ、散乱していましたから。。。

しばらくの間は、アトリエもクローズしようと考えていましたが、保護者の方々から心のケアとして制作を続けてくださいとの希望もあり、アトリエを開放していました。
その当時の子供達も大きくなり、今は高校生や大学生になっています。

10年後の現在は、コロナ禍のため様々な制約のもとでアトリエ活動をしています。
いろいろな試練はありますが、ものを作るということを軸にみなさんが笑顔になる活動を進めていきたいと考えています。
10年の節目で備忘録として残しておきます。

2011年に通われていたアトリエ生作品