H.P上でのバーチャル展覧会は遠く離れた方々にもご覧いただけると大変好評です!
アトリエは小学校6年生までが対象年齢ですが、続けてお稽古を希望する中学生にも門戸を開いています。
今回は、1年かけて「枕草子」をテーマに絵画制作に取り組みました。

枕草子は御存知の通り、清少納言が執筆した随筆です。
「春は曙・・・」から始まる第1段は、中学の国語の時間に学びますよね。
中学生のアトリエ生に第1段の原文と現代語訳を紹介し、イメージを膨らませて絵にするという課題に取り組んでいただきました。
春夏秋冬を一つずつ読み、わからない言葉や情景について話し合いながら制作を進めています。

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。

夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨などふるもをかし。

秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあわれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。

冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづぎし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

いかがでしたでしょうか?
なかなかの力作だと思います。
特に難しかったのは、冬です。
今とは生活の様子が異なりますから、火桶を知らない、また炭火で暖をとっていたことも理解できませんから、一つ一つ解説しつつ、画像なども交えながらすすめました。
やはり生活様式の違いを知るというのは、大切だと感じました。
結局、ふたりともかなり悩んだ末、平安時代の冬のイメージで描くことに決めたので、着地点があってよかったと思います。
「平安時代の女流作家が、これは素敵!これはあまりいいものではないね・・ということをいっているのだよ。。。」
とお話ししています。
「美意識の違いも面白いよね〜」などと会話しています。

Emiちゃんの作品はこちらから、Chikaちゃんの作品はこちらからご覧いただけます。
自分のスタイルがだいぶ確立されているようですね。
好きなことを続けられるというのは、素晴らしいことです。
好きなことから色々な学びに広がっていきます。
これからもたくさん表現していただきたいと思います。

【参考文献等】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%95%E8%8D%89%E5%AD%90
https://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005150081_00000