幼稚園の教育要領、小学校での学習指導要領では「生きる力」と言うキーワードを掲げています。
その中で造形・創作・表現の役割というのはとても大きなものだと考えます。
Study roomでは、他愛もない話から子どもの教育についてなどつらつら書いて参りますので、お付き合いのほどお願いしますね。
文明の進化を見ていると、はやり文字の前に絵で伝えていたことが分かりますし、道具を作ることで人々の生活が各段に良くなっていったことも見て取れます。
人類が文化を獲得する過程として、直立歩行が重要でした。
2足歩行になったおかげで手が使えるようになったからです。
つまむ、ひねる、握る、投げる、ちぎるなどの作業ができるようになったわけです。
その手からは、道具を作る、獲物を捕らえる、家を建てる、衣服を作る、田畑を耕すなどの活動がなされました。
このように見ていくと、まさに生まれてからの成長、発達は人類の進化を辿ることにに似ています。
インドネシアで見つかった4万年ほどまえの壁画には、人の手形や動物の絵が描かれています。
ラスコーの壁画では、たくさんの動物の絵や幾何学模様などが描かれ、それを描いた材料(画材)については、5〜6色の色を作り、筆に変わる道具を使って描いていたことも分かっています。
いずれの壁画も何のために描かれたのか(諸説あり)は、現代の私たちには本来の目的はわかりませんが、その絵が時代の手がかりとなっていることは明らかです。
何かを伝える手段の一つ、表現の一つとして造形は多くの役割を果たしています。
子どもたちの自由な絵からは、多くのことを読み解くことができます。
大人がいじったものからは、本来の伝えたいことが伝わりませんし、子どもの気持ちや状態が読み取れません。
アトリエの活動は、様々な情報をあたえ、画材の種類や使い方を教え、表現の幅を広げるお手伝いというところでしょうか。
子ども本来の表現は子ども自身で考え表すものですから、そのような時間をご家庭で確保することが重要です。
自らかんがえ自ら学ぶ力・生きる力は、自分時間の中から育まれるのです。