現在、来春からスタートの年少さん基礎造形クラスの募集の告知をしています。
そのような季節なので、今現在の年少さん基礎造形クラスのアトリエ生たちの成長を実感しているところです。
たくさんのスクリブルを経て、段々と形を表す段階に差し掛かってきています。
子どもの表現は、日常とともにあります。
体験とともに進んでいくのですね。
こちらは、りんごの絵です。
りんごをただ図式として描き方を教えられて描いているわけではありません。
この絵が出来上がるまでの流れこそが、とても大切なことです。
アトリエでは、子どもたちになんでも好きなものを自由に描いてきてねとお話しています。
年少さん基礎造形クラスでも同様です。
特に年少さんのママたちには、この時期の表現について成長と絡めてお話をしています。
最初の黄色いりんごの前にこの絵を描いています。
きっかけは、
「なんでも自由に好きなものを描いて先生に見せよう。」
というママの声がけからです。
子「りんごにする。食べたいからりんごに決めた。」
と自分で描くものを決めました。
ママ「他のものでも良いよ」
と考えさせたようです。
しかし、子どもは
「食べたいから」と答え描き始めたそうです。
それがこの赤いりんごです。
このりんごは、食べたい気持ちから頭に浮かんだりんごなのでしょう。
描いているうちにどうしても食べたくなり、ママに
「りんごある?食べてから描く。」
とお話したそうです。
ママがりんごを切っているところを見て子どもはびっくりしたそうです。
断面に種を見つけたからです。
「種は8個。2つだけ描くよ。2個よく見えるから。じゃあ食べよう。」
観察の途中でお味見です。
最後にくし切りのりんごを描いて
「やっぱり、くし形が一番いいんじゃない?ずっとたべます。」
以上が出来上がりまでの様子です。
ママと子どもの微笑ましい制作風景が目に浮かびます。
造形を通して会話が弾み、様々な学びの芽が見える様子にこちらも嬉しくなります。
前回のブログでご紹介したスクリブル研究のローダ・ケロッグは著書の中でこうも言っています。
「模写や臨画をすすめ自発的なスクリブルを禁ずる大人たちは、絵画に於いてと同じく学習における発達を妨げるであろう。すなわち大人の妨害に会わずに度々描画する機会を持つ児童は、こういう機会を持たせてもらえぬ児童よりは、学習が早く、また理解力においても一層優れるのである。」と述べています。
私は見て描くこともある程度は体験となると考えていますが、そればかりに偏ることは良くないと考えています。
あとは年齢や成長との兼ね合いもあるでしょう。
そのようなお話もしつつ、基礎造形クラスの親子の皆様と制作を共にしています。
下記日程で、体験・造形あそびの会を開催致します。
4月より年少基礎造形クラスでお稽古希望の方はトライアルに最適です。
詳しくはこちらからどうぞ!
1回目・11月27日・月曜日
2回目・12月4日・月曜日
いずれも14時50分〜15時50分
費用:3,150円(税込み)
/1回
完全予約制によりお問合わせより
お申し込みください。
皆様のご参加をお待ちしています。
参考文献等
『児童画の発達過程』ローダ・ケロッグ 著 深田尚彦 訳 株式会社黎明書房